キャッシュレス決済は、黎明期と比べるとサービスも増え、導入費用の面でも設置しやすくなっています。キャッシュレス決済を導入する場合、どの項目にどの程度の費用が発生するのでしょうか。
今回は、キャッシュレス決済の導入費用の目安をお伝えします。決済方法ごとの費用にも触れますので、導入時の参考にしてください。
そもそもキャッシュレス決済を店舗に設置する場合、何が必要となるのでしょうか。まずはキャッシュレス決済の導入に必要となる代表的なアイテムをご紹介します。
最初に必要となるのがキャッシュレス決済端末です。文字通り、キャッシュレスで決済を行う際に使用する専用機器のことで、クレジットカードや電子マネーなどの情報を読み取る役割を果たします。
キャッシュレス決済には、据置型とモバイル型の2種類があります。据置型は、レジ付近に設置して使用するタイプの決済端末のことを指します。POSレジとの連携機能が搭載されている製品が多く、価格の2度打ちの手間を減らしたり、売上や在庫の管理を効率化したりできます。
モバイル型は、Wi-Fiや4G回線を使って持ち運びながら運用できるタイプの決済端末です。飲食店でテーブル会計を行う場合はもちろん、イベント会場に出店する際などにもよく利用されます。
レシートプリンターとは、キャッシュレス決済の利用時にレシートを印刷するための機器です。現在店舗で使用しているものがキャッシュレス決済に対応していれば問題ありませんが、未対応の場合は新たに購入またはレンタルする必要があります。
キャッシュレス決済端末のなかにはレシートプリント機能を内蔵した製品もあるため、レジ周辺のスペースが少ない場合は一体型の導入を検討しましょう。
上記のアイテム以外には、決済端末と連携可能なPOSレジやQRコードを印刷するプリンターなどが必要になるケースもあります。
自店舗に何が必要かわからない場合は、キャッシュレス決済の提供会社に問い合わせるのがおすすめです。
キャッシュレス決済の利便性は理解しているものの、コスト面が負担となり導入できない店舗も少なくありません。そこで次は、キャッシュレス決済の導入費用の目安をご紹介します。
キャッシュレス決済の導入に必要な初期費用として、決済端末の設置費用が挙げられます。サービスの多様化が進んだことで設置費用にも開きが生じており、0円〜5万円程度が相場です。なかには端末の価格が10万円を超えるケースも見られます。
決済端末の契約方法は、決済事業者と直接契約する方法と決済代行会社に仲介してもらう方法の2つがあります。直接契約では個別に契約条件を決められるメリットはあるものの、何度も審査を受ける必要がある点や入金のタイミングがバラバラになる点がデメリットです。
決済代行会社であれば複数のキャッシュレス決済サービスをまとめて導入できるため、店舗側は効率良くキャッシュレス化を進められます。
決済サービスによっては、月額利用料がかかるケースもあります。有料の場合、3,000円〜1万円前後が相場です。ただし、近年では導入のしやすさを重視するために、月額利用料が無料のサービスも増えています。
お客様がキャッシュレス決済を利用した場合に、加盟店が事業者へ支払うお金が決済手数料です。キャッシュレス決済事業者のビジネスモデルは手数料を軸としているため、どの決済手段を導入した場合でも、決済手数料は基本的に発生します。
手数料の相場は3〜10%で、店舗の規模や契約内容に応じて変動します。
キャッシュレス決済端末の稼働にはWi-Fiや4G回線が必要となるため、毎月のインターネット通信費用も発生します。プロバイダや回線事業者によって料金は変わるものの、3,000〜5,000円が相場です。
キャッシュレス決済端末以外にPOSレジやプリンターなどが必要となる場合は、それらの機器の購入・レンタル費用もかかります。すべての機器を購入するとなると数万円から数十万円必要となるケースもあるでしょう。
新規契約時における周辺機器のプレゼントキャンペーンや、無料のレンタルなどを実施している事業者もあるため、コストを抑えるには積極的に活用するのがおすすめです。
キャッシュレス決済の導入にかかる費用は、決済手段ごとに異なります。そこで続いては、キャッシュレス決済の種類別に導入費用の目安をご紹介します。
クレジットカード決済の導入時には、端末の設置費用や月額費用、決済手数料がかかります。端末の設置費用は1〜5万円、月額費用は3,000〜8,000円前後が相場です。
また、決済手数料は3つの決済方法のなかでもっとも高くなりやすく、目安は3〜5%となっています。取引数の少ないお店の場合、契約内容によっては10%前後となるケースもあります。
電子マネー決済を導入する場合、端末の設置費用や決済手数料がかかります。端末費用の目安は数万円前後ですが、キャンペーンの適用によって無料となるケースも多いのが特徴です。
また、決済手数料の相場は3〜4%となっています。一部月額費用が発生するサービスもありますが、近年では無料で提供するサービスが増えています。
QRコード決済の導入時には、0〜3%の決済手数料を負担する必要があります。レジに設置したQRコードをお客様のスマートフォンなどで読み取ってもらうタイプであれば、専用機器を設置する必要はないため、端末費用はかかりません。
また、月額費用も無料のものが多いのが特徴です。費用面のみを考慮すると、3つの決済方法のなかでもっとも導入のハードルが低いといえるでしょう。
導入費用の目安を踏まえるとクレジットカード決済は導入しづらく、QRコード決済は設置しやすいように感じるかもしれません。しかし、店舗に合った決済方法を選ぶには、費用面だけで判断するのは危険です。
そこで最後に、キャッシュレス決済を導入する際、費用面以外で注意するべきポイントを解説します。
キャッシュレス決済の利用シーンでは現金のやりとりが行われないため、売上がすぐに現金化されません。事業者によって決済内容が確認された後、手数料を引いた金額が入金される仕組みです。
入金までの期間はサービスによって異なるため、資金繰りへの影響を最小限にするには、サイクルの短いサービスを選ぶのが良いでしょう。
キャッシュレス決済の導入店舗では、現金とキャッシュレスの両方で支払いが行われるため、オペレーションが複雑化する傾向にあります。
スタッフの対応の不備によるトラブルを防ぐには、事前に業務オペレーションの見直しを行い、研修などを実施して周知しておくことが重要です。
また、システムエラーや災害時など、キャッシュレス決済を使用できないタイミングのオペレーションも確認しておきましょう。
店舗に設置するキャッシュレス決済の種類は、顧客層や販売商品の価格帯に応じて決めるのが望ましいでしょう。
例えば、学生の来店が多いお店では電子マネーやQRコード、ビジネスパーソンの多い店舗ではクレジットカードの優先度が高くなります。
また、利用者の利便性をアップさせるには、複数のキャッシュレス決済に対応するのが理想です。
ユーザーに安心して利用してもらうには、セキュリティ面にも配慮する必要があります。不正利用を検知するシステムを採用しているサービスはもちろん、トラブルが発生した場合のサポートなどが充実しているサービスを選びましょう。
キャッシュレス決済は導入費用や決済手数料が必要であり、コストがかかるイメージがありますが、近年では現金管理のコストや手間も増大しています。現金輸送や振込、引き出しなどにかかる人件費や手数料といったコスト、現金のやりとりにおけるヒューマンエラーのリスクなどが代表的です。
そのため、店舗のキャッシュレス化を進める場合は、完全キャッシュレス化も含めて今後の現金決済の取り扱いについても検討しておくことが重要です。
キャッシュレス決済を導入する際は、費用以外に上記の点にも注意しましょう。
キャッシュレス決済の設置には一定の導入費用がかかるものの、集客力のアップや売上の拡大などのメリットも期待できます。
導入費用以外の要素も踏まえたうえで最適なサービスを選択し、店舗のキャッシュレス化を促進しましょう。
参考記事:「キャッシュレス決済の導入メリットとデメリット、設置の流れを解説」
【以下のフォームを入力して資料を無料でダウンロード】↓
「あなたのお店をキャッシュレス化。これ一台ですべて解決」