今回タッチパネル券売機をご導入頂いたのは石川県加賀市の山中温泉街にございます、2024年4月13日よりオープンする「加賀依緑園」。
山中温泉街は温泉が楽しめるだけでなく、130年の歴史を有する豊かな自然と伝統文化が息づく渓谷の温泉地です。温泉や宿泊施設、文化体験、文化観光を楽しむことができる魅力あふれる観光地です。
「ただの文化観光施設にとどまらず、創造性を生かしたことしたい」という意向を持つ加賀依緑園の統括マネージャー、本多様のご協力のもと、今回のインタビューが実現いたしました。
施設の文化と石川県の文化を融合させた文化観光施設の構想
「弊社は指定管理事業者として、学校や研修センターなどの施設をリノベーションし、旅館やホテルといった宿泊施設の運営を多数行っております。その中でも、「ウェルネスハウスSARAI」というホテルは、「日本の小宿10選」を受賞しており、多くのお客様にご愛顧いただいております。」
宿泊サービスやリノベーションに長けた本多様ですが、今回の加賀依緑園の運営には特に苦労されたとのことです。
「ホテルや飲食店の立ち上げ経験は多岐にわたりますが、文化観光施設の立ち上げは初めてな中、試行錯誤を繰り返しながらの取り組みでした。」
加賀依緑園は、800年続く伝統的な旅館 ‘よしのや依緑園’ の別荘で、かつて迎賓館として使われていた施設を改修・改築したものです。
館内では、これまでの宿泊者の歴史や伝統をはじめとする展示物をお楽しみいただけます。また、建物は昔ながらの構造で、4つの部屋が一つの通路でつながっている迷路のような作りになっています。各部屋には、九谷焼の作家さんの作品を展示し、1ヶ月ごとに作品を入れ替え、個展形式で展示しています。よしのや依緑園の文化だけでなく、石川県の伝統工芸である九谷焼の文化にも触れていただけるよう工夫しております。」
加賀依緑園は、単なる文化観光施設としてだけではなく、他にも多岐にわたる取り組みを行っているとのことで。
「石川県で有名なギャラリーショップ(アートギャラリー縁煌-enishira)と提携し、最後の部屋をお土産コーナーに改装したり、カフェスペースを設けたりして、文化観光施設としてだけでなく多面的な魅力を持つ施設として運営しております。」
効率的な運営と人件費の削減を目指す
導入前には本多様がサービスを運営する上で常に意識しているところがあるそうで、
「どのようなプロジェクトを進める際にも、いかに人手をかけずに運営できるかを考えています。今回は券売機の導入によって人件費を抑えた運営ができると考え、導入を決めました。比較検討の結果、ランニングコストが最も抑えられるという理由から、CASHIERさんのシステムを採用することにしました。」
運用から見える顧客層と課題
「実際に使い始めていい点と悪い点の二つが見えてきましたね。」
「まず、WEB管理システムの使い勝手が非常に便利です。運営側として、月報や日報などの管理が見やすく、出力方法も非常に分かりやすいため、導入して良かったと感じています。」
経営者やマネジメントサイドにとって必須の売上や販売分析を行うための各種分析機能が充実しており、CSVでの出力や出力データのカスタマイズも可能で、必要な情報を容易に選択・出力できる点が好評です。
「券売機の他にも、加賀依緑園内のカフェでクラウドPOSレジやモバイルハンディも導入しています。飲食部門では、時間帯別やカテゴリ別の売上分析もうまく活用しています。唯一の欠点として、使用感は非常にわかりやすく簡潔で使いやすいと感じるのですが、タッチパネル型券売機の操作に現在のお客様が中々上手く使いこなせておらず、そこが課題かと思います。操作も簡単で購入したものをタッチしてお金を入れるだけなのですが、現在のコアユーザー層は少し年齢が高く、皆様ボタン式券売機を長年ご利用されてこられており、そことは少し操作が変わるので苦戦してしまうのかなと感じています。」
タッチパネル型券売機の利便性や導入によってもたらす省人化という点には理解いただきながらも現在の地方の年配の方々には中々操作が難しいという新たな課題。
コンシェルジュとしてもこの課題は真摯に受け止め、そういったお客様がご利用いただきやすい環境を作るべく、早急にタッチパネル型券売機に操作手順をわかりやすくできるような取り組みを行わせて頂きました。この取り組みにより少しでも加賀依緑園をご利用いただきやすいような環境にしていきたいと考えております。
加賀依緑園としての目標や温泉街の在り方。
「山中温泉にある文化観光施設、「加賀依緑園」は石川県にある加賀温泉郷という温泉街が密集している地域の中にあります。北陸新幹線が2024年3月16日に「加賀温泉駅」に開通してアクセスがしやすくなったこともあり、今後どんどん観光に来られるお客様が増えていくと思ってます。その加賀温泉郷の中でも、山中温泉街は一番温泉街自体が頑張っているところかなと思ってます。」
新幹線の開通によって今後、更に観光客の増加が見込まれる山中温泉街。
その温泉街にとっての大事なことを本多様に語っていただきました。
「温泉街っていったらひとつ大事なことがあって。例えば有名旅館が頑張って温泉街を牽引しているようなケースは多くあるけれど、それだと施設が充実しすぎて宿の中で完結してしまう。そうすると施設の目当てのお客さんが多くなり温泉街自体の発展に繋がらなくなり、温泉街が潰れていくと思ってます。ただ、山中温泉街はみんながみんな協力しあって発展のために頑張っているので。」
「加賀依緑園としての目標としては、山中温泉には4つの名所があるんですけど、新名所として加賀依緑園を加えていけるように頑張っていければと思ってます。今年が頑張り時かなと」
本多様のこだわりと文化観光施設として、旅館の歴史や伝統が伝わる物品の展示だけでなく、現代の作家さんによって作られる石川県の伝統工芸である九谷焼を個展のように展示するといった、施設だけでなく県の名産や作家さんの活躍の場を広げるといった全体を盛り上げるような施設となっている加賀依緑園。石川県にお越しの際は是非山中温泉を含めて観光に訪れてみてはいかがでしょうか。