近年多くの店舗で導入が進んでいるPOSレジですが、クリニックなどの医療現場でも導入されています。クリニックにPOSレジを導入することで、複雑な会計業務の負担を軽減できるなどさまざまなメリットがあります。
そこで本記事では、クリニックのPOSレジに必要な機能や導入の際の注意点、おすすめのPOSレジの形態などを詳しく解説していきます。
診察までの患者の待ち時間を短縮したい、会計処理の効率化をしたいなど、さまざまな課題の解決手段としてクリニックにPOSレジを導入するメリットを詳しく解説していきます。
POSレジの大きなメリットは、会計処理の負担を大幅に減らしてくれるという点です。特にクリニックなどの会計処理は小売業や飲食業とは異なり、医療費控除の計算などの複雑な作業が発生します。
POSレジでは、保険点数の入力の負担割合を自動算出するなど、複雑な計算もミスなく簡単にできるため、会計業務の効率化につながります。
また、会計のスピードや正確性が増すことで、患者の待ち時間を削減できるのもメリットのひとつです。
カルテや紙の書類だけでは、未収金の患者を把握することが難しいでしょう。また、患者が多ければ多いほど管理が煩雑化し、回収に時間がかかってしまうことも考えられます。
その点、POSレジでは患者ごとに未収金の管理も行うことが可能です。残りの未収金額や、回収額など細かく管理できるようになります。会計時に未収金の有無をその場で確認できるため、回収不可になる前に対処できます。
クリニックなどの医療機関では欠かせない患者のカルテは、会計時にも確認が必要です。POSレジでは、電子カルテやレセプトコンピュータなどとの連携が可能なため、会計業務をスムーズに行えます。
電子カルテに記載の情報をPOSレジで読み取ると、請求情報に反映されます。そのため、請求業務のミスを防ぐことができます。。
また、請求業務以外にも受付業務などの業務効率に大きく貢献します。来院した患者の診察券を読み取り、患者情報等を表示し自動で受付を行うこともできるでしょう。
クリニックなどの医療機関にPOSレジを導入することにより、さまざまなメリットを得られるとご紹介しましたが、クリニックごとに適した機能を見極めることが重要です。 通常のPOSレジ機能に加え、クリニックだからこそ考慮したい機能をここでは詳しく解説していきます。
クリニックの会計業務の効率化や業務負担軽減のためには、レジ会計機能は必須となるでしょう。医療機関ならではの複雑な会計業務をスムーズかつ正確に行える機能が必要となります。 自動釣銭機に接続して、精算機が現金の授受を自動計数することで、お釣りの渡し間違えを防ぐことができます。
また、近年急速に進むキャッシュレス化は医療の現場でも導入されており、クレジットカードやICカード、QRコード決済など、豊富な決済サービスに対応することで、キャッシュレス需要にも応えることができるでしょう。
クリニックでは一度訪れた患者が再受診する可能性が高いため、顧客管理が重要となります。 過去に受診した際の請求情報や点数、未収金額などをPOSレジ内で管理できるため、紙の書類管理よりもはるかに顧客管理の業務効率を高めることができます。
また、POSレジでは顧客別やドクター別などの軸から集計が可能な機能もあり、クリニックの現状をさまざまな観点から把握・分析できます。
顧客管理についてはコチラの記事で解説しています。
顧客管理をする上ではまず、集客行うことも重要となってきます。WEBサイトやMEO、SEO対策をしっかりと行なって集客を行うと顧客数も増え、顧客管理機能をより有効活用いただくことができます。
POSレジを電子カルテやレセプトコンピュータと連携させることで、会計内容がPOSレジに表示されるため、受付スタッフの会計業務の負担を減らすことができます。
より会計業務のミス軽減や業務効率を目指すのであれば、他システムとの連携機能は必須となるでしょう。カルテやレセプトコンピュータ以外にも、自動釣銭機などの周辺機器とも連携させることで、会計業務で起こる人的ミスの防止に役立ちます。
クリニックに限らず医療機関では、衛生面に配慮する必要があります。そのため、キャッシュレス機能や自動釣銭機など、できる限り患者と接触しない決済方法を選択できる機能のあるPOSレジがおすすめです。
特に新型コロナウイルスの流行以降、人との接触を極力減らした会計機能が求められるようになっています。
POSレジの種類、機能などの詳細は、以下の記事をご覧ください。
さまざまな機能があるPOSレジですが、クリニックにおいては、「POSレジ+自動釣銭機」の形態で導入することがおすすめです。
自動釣銭機とは、利用者が自身で決済を行い、釣銭やレシートを自動排出する機器のことです。POSレジの周辺機器であるため、追加で導入する必要があります。
自動釣銭機は、本体だけで約30~100万円の費用がかかりますが、クリニックにおいては導入する施設が増えています。
クリニックにおいて、自動釣銭機を導入する最大のメリットは、感染症対策になるという点です。非接触で、直接金銭の受け渡しをせずに会計できることから、クリニックにおいて重宝されるようになっています。
他にも、金銭を取り扱うというストレスの緩和や、会計にかかる時間や手間の削減といったメリットも見込めます。
自動釣銭機を導入する際の注意点としては、設置場所の確保が挙げられます。POSレジだけでなく、自動釣銭機を設置するには、通常のレジよりも広いスペースが必要になります。
クリニックの特性上、通路や待合室などにおいても広い幅が必要となることもあるでしょう。そのため、POSレジと自動釣銭機を設置することで、患者の動線を妨げないようにしなければなりません。導入前に、設置スペースの有無を事前に確認するようにしましょう。
自動釣銭機の詳細は、以下の記事をご覧ください。
クリニックにPOSレジを導入する際は以下の2つのポイントが重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新しい機能を導入するとなると、当然使い慣れるまでに時間がかかるでしょう。特に多くの機能を搭載する場合は、覚えなければいけないことも多くなります。
そのため、実際に使い始める前に研修を行ったり、徐々にPOSレジを扱える人を増やしたりするなどの工夫をしながらスタッフに慣れてもらうことが重要です。
十分な説明やシミュレーションを行わないと、会計ミスが起きたり、患者を待たせてしまったりする可能性もあるため、しっかりと導入開始までに準備期間を設けましょう。
POSレジの導入には少なからずコストが発生します。導入するものによって金額が異なりますが、初期導入費用で数十万円することもあります。
自動釣銭機やバーコード読み取り機、レシートプリンタなどの周辺機器を揃える場合には、さらに費用がかかることも。
大切なのは、POSレジによって得られる価値とコストが見合っているかどうかを見極めることです。クリニックの状況や課題に合わせたPOSレジや機能を選びましょう。
また、導入費用を抑えたい場合は購入ではなくリースやレンタルを検討してみても良いかもしれません。ただし、ランニングコストがかかるため、よく吟味することが必要です。
さまざまな店舗で利用されているPOSレジは、クリニックなどの医療現場でも活躍します。複雑な会計業務や顧客管理など、クリニックならではの必要な機能にも対応でき、会計業務の負担軽減や業務効率UPに大きく貢献します。
POSレジの導入によるメリットを最大限活かすためには、事前準備が大切です。POSレジを導入する際には、必要な機能を見極め、クリニックの体制を整えることから始めましょう。