「会計・決済業務に時間がかかっており、生産性を落としてしまっている」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
手作業による会計・決済業務は、手打ちにかかる時間や釣銭の手渡しなどさまざまな面において、個人の能力差に依存し、非効率的です。
そこで注目すべきシステムが、キャッシュレス決済やPOSレジシステムです。両者を連動することで業務効率化できるだけでなく、感染症対策やお客様ニーズへの対応など、さまざまなメリットが得られます。
この記事では、キャッシュレス決済とPOSレジを連動するメリットや、連動することがおすすめのシステムについて解説します。
結論からいうと、キャッシュレス決済とPOSレジは連動することがおすすめです。
そもそもPOS(Point Of Sales)レジとは「販売時点情報管理」ができるレジのことです。販売する商品・サービスのバーコードを読み取ると、商品情報や顧客情報などを瞬時に集計・管理できます。
またキャッシュレス決済とは現金以外の支払い方法の総称です。代表的なものにはクレジットカードやQRコード決済、電子マネー決済などが挙げられます。
POSレジとキャッシュレス決済のどちらも、導入することで「会計・決済業務の効率化」や「顧客ニーズを満たす」ことが期待できます。 その際、両者の機能が異なるため、POSレジとキャッシュレス決済を連動することで、多角的な面から会計・決済業務の効率化の実現や顧客ニーズへの対応が可能です。
キャッシュレス決済とPOSレジを連動するメリットを解説します。
キャッシュレス決済とPOSレジを連動していない場合、POSレジと決済端末の両方に商品代金を入力し、操作することが必要です。そのため現金による支払いよりは会計時間を短縮できますが、思ったほどの効果を感じられないかもしれません。
しかし決済端末とPOSレジを連動すると、会計処理にかかる時間は数秒~10秒程度と大幅に短縮できます。 というのも、POSレジを操作すると決済端末に商品代金が反映されるためです。
また、お客様がキャッシュレス決済で精算すると、その情報はキャッシュレス決済端末からPOSレジに共有されます。
キャッシュレス決済端末とPOSレジが非連動な場合、先ほども解説しましたがPOSレジと決済端末両方の操作が必要です。そのため、レジスタッフの手間が増えることで、入力ミスが発生する可能性が高まります。
しかし決済端末とPOSレジを連動することで、自動反映されるため、人的ミスの防止につながります。
キャッシュレス決済端末とPOSレジが非連動な場合、現金やクレジットカード、電子マネー、QRコード決済の売上集計を、一つひとつ行う必要がありました。
しかし決済端末とPOSレジを連動することで、現金とキャッシュレス決済それぞれの売上情報を一元管理できるため、売上管理にかかる手間を効率化できます。
ここでは、キャッシュレス決済端末とPOSレジ以外に、連動されることが多いシステムについて解説します。
券売機は、お客様自身が商品・サービスの支払いを行う機器のことです。券売機は、事前決済である点が特徴の一つです。
最近では、顧客ニーズに応えるために券売機とキャッシュレス決済端末を連動させる店舗が増えています。お客様自身が操作する必要があるため、わかりやすい導線や仕組みになっていることが重要です。
セルフレジは、お客様自身が商品バーコードの読み取りから支払いまでを完結させるシステムです。券売機と異なり、後払いが特徴の一つです。 券売機同様に、顧客ニーズに応えるためにセルフレジとキャッシュレス決済端末を連動させる店舗が増えています。
また最近では、POSレジに自動釣銭機を連動してセミセルフレジ(商品バーコードの読み取りはスタッフが行うタイプ)として利用するケースも。その場合には、「POSレジ+自動釣銭機+キャッシュレス決済端末」を連動することで、会計・決済業務のさらなる効率化が期待できます。
テーブルオーダーシステムとは、テーブルに設置された注文用のタブレット端末をお客様が操作し、商品の選択から注文までを行うシステムです。また、お客様自身のスマートフォンを用いて注文する「モバイルオーダーシステム」もあります。
テーブルオーダーを導入することで、商品の注文時に伝票を取る必要がなくなり、システム上で注文履歴や売上を管理できます。 そのため、「テーブルオーダーシステム+POSレジ+キャッシュレス決済端末」を連動することで、店舗の回転率向上や店舗業務の効率化、顧客満足度の向上などにつながります。
ここでは、キャッシュレス決済とPOSレジを連携させる注意点を解説します。
POSレジシステムやキャッシュレス決済を導入時には、一定のコストがかかります。POSレジのシステム代だけでなく、レジ本体や決済端末、通信端末、インターネット費用などのさまざまな導入コストが発生します。
その他にもシステムのメンテナンスや改修を実施する際にも、それ相応のコストがかかるため注意しなければなりません。
キャッシュレス決済やPOSレジは、インターネットによる通信や電力を用いて行います。そのため、停電や不具合、機器の故障などによって、会計・決済業務を一切行えなくなるというリスクがあります。
緊急事態によるトラブルで「商品の販売自体ができなくなる」などのリスクを想定し、事前に緊急時のマニュアル・ルールを整備することが大切です。また、契約時に緊急時のサポート体制について提供メーカーに確認しておきましょう。
POSレジシステムを導入するメリットはご理解いただけたかと思います。最後に、自店舗に合ったPOSレジシステムの選び方を解説します。ソリューションの導入を検討している方はぜひご確認ください。
POSレジシステムの選び方1つ目は、機能面と使いやすさです。ソリューションの種類によって対応している機能や利便性が異なります。
例えば、1つのPOSレジシステムで券売機、テーブルオーダー、モバイルオーダーなど、複数のシステムを使用できるものもあれば、テーブルオーダー単体しか使用できないソリューションもあります。
また、ソリューションを導入しても現場でうまく活用できなければ本末転倒です。そのため、現場でPOSレジシステムを用いる従業員と相談し、機能面と使いやすさを考慮してソリューションを選択しましょう。
POSレジシステムを選ぶ際には、導入コストも考慮しましょう。システム代やパソコン、タブレットなど、ソリューションを導入する際には一定のコストがかかります。これら導入コストは、POSレジシステムを提供している会社によって大きく異なります。
また、ソリューションの種類によって料金体系も違います。例えば、下記のような料金体系が考えられます。
これら料金体系と自店舗の予算を照らし合わせ、最適なソリューションを選択しましょう。なお、はじめてPOSレジシステムを導入するという方は「初期コストと月額料金は安いが一定の手数料がかかる」料金体系をおすすめします。初期コストとリスクを抑えた運用が可能です。
本記事ではキャッシュレス決済とPOSレジの連動するメリットや連動すべきシステムについて解説しました。 せっかくキャッシュレス決済やPOSレジを導入しても、両者を連動しないと思ったようなメリットにつながらない可能性があります。会計時間の短縮や人的ミスの防止といったメリットを享受するには、必ず連動させることがおすすめです。